Ryutantan 竜潭譚りゅうたんたん
作品名 :りゅうたんたん
出演 :常磐津綱鵬 古家暖華 LONTO
作品制作 :プッペンテロル
浄瑠璃台本・演出:木村 繁
美術監督 :福永 朝子
にんぎょう製作 :はちす
照明 :Chang
制作 :ラストラーダカンパニー
上演時間 :75分
対象年齢 :高学年〜大人
理想観客数 :150名 (最大300名)
構成人数 :出演者3名、スタッフ1名
球体関節人形と常磐津、パントマイムに泉鏡花....と異色の舞台を3人の役者で構成。
役者である古家暖華が人形遣いとして主人公の”ちさと”を。
また道化師でありパントマイミストのLONTOが虫やつつじ、女まで変幻自在に演じます。
三味線を弾きながら唄い、語るのは若手女流の常磐津綱鵬。
本来常磐津は唄い方と三味線方とそれぞれに分かれるのですが、常磐津綱鵬はたった一人で三味線を弾き語り唄います。
最小限の出演者に絞り無駄な描写を削ぎ落としたことで生まれる緊張感。
その限られた空間に響く三味線の音と語りで、より想像が膨らみます。
空気が止まったかのような美しさと日本の美、
異色の3人の競演をご堪能ください。
はじめに
金沢を舞台に、山に迷い込んだ少年ちさとと秘境のおんなを描く泉鏡花の『竜潭譚』(りゅうたんたん)を、いつか人形芝居にしたいと思っていました。そんなとき演出の木村繁、美術の福永朝子、道化師のLONTO、三味線奏者の常磐津綱鵬が出会い、素敵な集まりプッペンテロルが誕生しました。初演の会場は愛知の能楽堂と古民家でしたが、母をなくした少年が母のおもかげを求めて山中を彷徨う舞台は、時にはもの悲しく、時にはあやしく、大方の好評をいただきました。そして、この人形芝居を全国各地の皆様にもご覧いただきたいと、この度ラストラーダカンパニーが製作を担当することとなりました。女流の常磐津奏者の弾き語りで綴る、人形とマイムの佳品をご堪能ください。
三味線弾き語りと「竜潭譚」
『竜潭譚』(りゅうたんだん)は三味線の弾き語りによって人形芝居を進行していきます。こういった形式を人形浄瑠璃(じょうるり)といい、それはこの国の人形芝居の原型でした。その形式は今も文楽に脈々と継承され、海外でも高い評価を受けています。一方、今日の多くの人形劇では、人形遣いがセリフも一緒に言うのが普通になっています。そんな中で、わたしたちは物語とセリフは三味線弾き語りが担当し、人形遣いはもくもくと人形を操る方法を選択しました。けれどもわたしたちは昔の形を復元しようとしているのではありません。語りと人形を分けることで、舞台に思わぬ緊張関係が生まれることが多々あります。又、三味線の糸の音と語りは、セリフ劇とは又ちがう、音楽的で、ちょっとオシャレで、感性を刺激する、豊かなことばの贈り物を、お客様にお届けできることでしょう。
木村 繁 (浄瑠璃台本・演出)
常磐津綱鵬
高校生の頃より「名古屋むすめ歌舞伎」に入団。市川團十郎家のもと歌舞伎を学ぶ。襲名目前にして退団。
常磐津綱男氏に常磐津を師事。2006年常磐津節17代目家元常磐津文字太夫より常磐津綱鵬の名を襲名。詩吟の世界でも数々の賞を受賞。
紀伊国屋ホール 立川らく次氏と共演、名古屋城本丸御殿 孔雀の間、国立文楽劇場 花柳流舞踊会、御園座にて演奏。愛知人形劇センター30周年記念公演「小町曼荼羅 」や 「竜潭譚」など近年では人形劇やサーカスとコラボレーションをするなど、意欲的に活動中。
古家暖華
会話劇を中心に、ミュージカル、オブジェクトパフォーマンスなど名古屋を中心に活動。Mカンパニー所属。2008年に専門学校名古屋ビジュアルアーツ パフォーミングアーツ学科を卒業。あいちトリエンナーレ2010のPR隊として、各地で野外パフォーマンスを行う。主な出演作は、よこしまブロッコリー『体温と体液』オブジェクトパフォーマンスシアター『胎児の夢~ドグラ・マグラより~』総合劇集団俳優館『森は生きている』、なごや芝居の広場『暮しの詩』など。
LONTO
道化師。山本光洋氏にパントマイムを師事。国内外で道化師、オブジェクトパフォーマンスを学ぶ。身体を活かした人形劇の出演や指導も多い。国立モンゴルサーカス招待出演、ニューヨーク世界道化師フェス、ラスベガスの道化師フェスゲスト出演。上海万博、ミラノ万博出演。アメリカWCAコンペにてグループ、シングル共に金賞をダブル受賞。モンゴル国際マイムフェスティバル銀賞。演出作品「コメディ・クラウン・サーカス」は厚生労働省児童福祉文化賞受賞。人形劇団むすび座「ピノキオ」「アラビアンナイト」「チト」「オズのまほうつかい」身体表現指導。
木村 繁 (浄瑠璃台本・演出)
前進座、東宝現代劇戯曲科で学び人形劇団むすび座の演出を経てフリー。オブジェクトパフォーマンスシアター文楽人形、結城座、ひとみ座などと新作を作る。
又、日本語の語りにも力点を置き白石加代子、天野鎮雄、三味線やそすけ、琵琶田原順子、竹元まき子、狂言野村又三郎、説教源氏節もくもく座、俳優館などと語りの作品を作り続ける。
文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作、名古屋市芸術奨励賞、松原英治若尾正也記念演劇賞
名古屋市民芸術祭審査員特別賞(団体)
一般社団法人日本演出者協会理事を五期歴任
現在は特定非営利活動法人愛知人形劇センター理事長。
福永 朝子 (人形美術監督)
京都市立芸術大学美術学部日本画科卒業。人形劇団京芸、人形劇団むすび座を経て現在フリー。数多くの人形美術、脚本、演出を手掛け、ダンスやオペラにも造形作品を提供。オブジェクトパフォーマンスシアターの美術監督、第一回愛知トリエンナーレPR隊の野外パフォーマンスの美術を担当する。名古屋市在住。
[竜潭譚 公演記録]
【名古屋】 栄能楽堂/主催:(有)プリマヴェーラ(2018)
【名古屋】 国登録有形文化財 柴田家住宅主屋/主催:(有)プリマヴェーラ(2018)
【東京】 子どもと舞台芸術大博覧会(2019)
【長野】 いいだ人形劇フェスタ(2019)
【東京】 プーク人形劇場(2020)
【名古屋】 愛知人形劇センターひまわりホール/主催:(有)プリマヴェーラ(2020)
Review - 感想
・日本の話芸の素晴らしさを再確認すると同時に人形の動きに感動!
・すごいものを見たというのはコレのことを言うのかもしれません。
・始めて生の浄瑠璃を聞きとても迫力があり、声、
三味線とても良かったです。
・常磐津語りに非常に感動しました。この方をまた観たいです。
・ずっと3人の演者の表情を見ていました。一番そこに惹き
つけられたということです。綱鵬さんの語り表情は姉や
ちさとの可愛らしさや気持ちをより一層伝えているよう
に感じられ、反対に人形遣いの古家さんは表情を一切出
さず視点を一点に絞り緊張感ある舞台でした。
パントマイムのLONTOさんは同じく表情を出さずに動き、
その表情のないところが表情深くうったえてきました。
・こういったものを初めて観ましたが話の内容がわかりやすく、
また常磐津のお声に本当に引き込まれ終わった時には涙が
でました。みなさま本当に素晴らしかったです。
・こういった公演を名古屋で見られるとは思っておらず..。
言葉の意味合いを理解するのは難しかったものの全体の
雰囲気や流れでおおよそは理解できたかと思います。
動きや演出も素敵でした。
・言葉を失うほどすごい。
・おひとりで最後まで演じる常磐津は圧巻で素晴らしかった。
球体関節人形とパントマイムのコラボといい素晴らしい演出に
感動しました。
・語りを中央に配して着物をバックにしただけなのに深い
世界を表現していた。全てが良かった。
・弾き語りも素晴らしかったです。異空間へ連れて行ってもら
えました。人形の動きと踊りの取り入れ方がおもしろかった。
・いままで拝見したことのないコラボでした。常磐津という
ものを人生の中で初めて聞くことができてよかったです。
人形も独特で動きも含め不気味さを感じました。
LONTOさんが着物を着せてもらう時にずっとまばたきを
しなかったのですごくびっくりしました。
動きがしなやかで妖艶で素敵でした。
・古典的な浄瑠璃は三味線と人形なのでしょうか?ですがそこに
プラスα新たな表現が入ることで私のような年代にもさらに
見やすいものになるんだなあと感じました。
2022.2.12(土)「竜潭譚」
場所:【埼玉】入間
お問い合わせ:ラストラーダカンパニー
2022.2.13(日)「竜潭譚」
場所:【東京】多摩
お問い合わせ:ラストラーダカンパニー
2022.3.21(月)「竜潭譚」
場所:【熊本】くまもと国際子ども芸術フェスティバル
お問い合わせ:ラストラーダカンパニー
2022.4.22(金)&23(土)「竜潭譚」
場所:【愛知】蔵カフェ ケセラセラ
お問い合わせ:ラストラーダカンパニー